白井聡 対米従属の原因は「国体」にある

安倍政権は北朝鮮に強硬姿勢で臨んできましたが、米国が対話路線を打ち出すとコロッと態度を変えました。安倍政権がこれほど対米従属的である理由は、外交や安全保障という側面だけを見ていてもわかりません。ポイントになるのは「国体」という観点です。/白井聡月刊日本


白井聡 対米従属の原因は「国体」にある

http://gekkan-nippon.com/?p=13325


天皇ではなく米国を崇める保守派これは現在の安倍政権にも当てはまります。安倍政権は天皇の「おことば」を受け、宮内庁に対して報復人事を行いました。また、生前退位問題を議論するために設置された有識者会議に、「おことば」に批判的な日本会議系の有識者を送り込みました。これほどあからさまに天皇を攻撃しているのだから、朝敵とみなされたとしてもおかしくないはずです。 ところが、現在の保守派からはそうした声はほとんど聞かれません。それどころか、安倍政権と一緒になって天皇を批判する勢力さえいます。ネット上でも「天皇反日左翼だ」といった声が溢れています。 彼らの用語では、「左翼」とは共産主義者やその末裔のことを指します。共産主義者は当然、朝敵です。そのため、「天皇は左翼だ」とは、天皇は朝敵であるということです。しかし原理的に言って、天皇は朝廷そのものなのだから、朝敵にはなりえません。ということは、彼らにとっては皇居にいる天皇以外に朝廷が存在するということになります。 それでは、安倍政権や日本会議にとって朝廷とは誰なのか。彼らが対米従属的な言動を繰り返していることから考えれば、アメリカこそが朝廷だと言えます。つまり、彼らにとっての権威は天皇ではなく、アメリカだということです。

http://gekkan-nippon.com/wp-content/uploads/2015/09/IMG_1027-100x100.jpg
天皇陛下は強い不満を漏らされたのか  天皇陛下の退位をめぐる政府の有識者会議の中で、保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの...