腐敗した権力者とそれを批判する側を同列に並べて「どっちもどっち」と問題を矮小化し、現状を追認する人は、メディア業界でも時々見る。「どっちもどっち論」は一見バランスが取れているように見えて、実際には圧倒


腐敗した権力者とそれを批判する側を同列に並べて「どっちもどっち」と問題を矮小化し、現状を追認する人は、メディア業界でも時々見る。「どっちもどっち論」は一見バランスが取れているように見えて、実際には圧倒的な力(パワー)の不均衡を無視しており、結果的には力を持つ側をさらに有利にする。
政治問題で、自分のポジションを伏せたままで展開する「どっちもどっち論」は、当座の責任回避という面では最強の立ち位置で、短期的には状況がどう転んでも我が身に火の粉がかからない。だが長期的に見れば、権利や自由をめぐる社会の変化から逃れられない。見物人のつもりでも最後には巻き込まれる。