体罰・暴言で子どもの脳が「萎縮」「変形」 厚労省研究班が注意喚起
体罰・暴言で子どもの脳が「萎縮」「変形」 厚労省研究班が注意喚起
「愛の鞭(むち)」のつもりが「虐待」になることも。
Getty Images
子どもは「なぜ叱られたのか」を理解できていないかもしれない。また、最初は「愛の鞭」のつもりでも、いつの間にか「虐待」へとエスカレートしてしまうこともある。
危険なのはそれだけではない。厚生労働省は5月15日、全国の自治体に子どもへの「体罰」「暴言」の影響をまとめた資料を周知した。
厚生労働省 / Via jaog.or.jp
厚生労働省の研究班による資料「愛の鞭(むち)ゼロ作戦」によれば、体罰や暴言により、子どもの脳に「萎縮」や「変形」が起きること、親子関係の悪化や精神的な問題が起きやすいことが、国内外の研究で明らかになっているという。
例えば、福井大学子どものこころの発達研究センター教授・友田明美医師は、子ども時代に辛い体験をした人の脳の変化を指摘している。
厚生労働省 / Via jaog.or.jp
また、約16万人分のデータに基づき、親による体罰を受けた子どもと、受けていない子どもの違いを分析した研究もある。
厚生労働省 / Via jaog.or.jp
このグラフによれば、親による体罰を受けた子どもは、「親子関係の悪化」「精神的な問題の発生」「反社会的な行動の増加」「攻撃性の増加」などの「望ましくない影響」が大きい。
資料では、他にも親による「愛の鞭」を防ぐテクニックや、親自身が助けを求めるための方法が紹介されている。
BuzzFeed Newsが取材した厚労省の担当者によれば、この資料は2016年5月の児童福祉法改正の附帯決議を受けて作られた。「今後、自治体や関係機関・団体などを通じて、広く国民に対する意識啓発に活用していく予定」という。