神社における改憲誓願署名をめぐって

神社における改憲誓願署名をめぐって
「今回神社本庁およびその下部組織である都道府県の神社庁は、躊躇なく宗教の場へ露骨に政治を持ち込むという挙に出た。これは、神社本庁がもはや宗教よりも政治を上位に置く組織になってしまっていることを露呈している」「明治以降、神道は『国家の宗祀』などとおだてられていい気になり、二十世紀の戦争遂行の手助けをする羽目になった。要は国家に利用されたのであるが、神道界の方も自ら嬉々としてそのお先棒を担いだのだから同情の余地はない。世俗的権威である国家に服従することは宗教としては自殺行為に等しいのだが、そうした自覚もなく、『実質的国教化』というきび団子をもらって、国家の僕となることを喜んで受け入れたのである。多くの兵士たちが神社の境内で万歳三唱に送られながら戦地へと出征していった」「戦後になっても、神道界の指導的立場にあった者たちは戦前に自分たちがしたことについては何一つ総括をせず、むしろGHQの神道指令の被害者であるかのような顔をして、戦前の体制への回帰を志向してきた。神社本庁はまさにそうした者たちの巣窟であったのだが、戦前世代が退場し、ほとんどが戦後生まれになっているはずにもかかわらず、その危険な体質は何一つ変わっていない。それどころか、むしろ戦争を知る世代の良識派が駆逐され、より原理主義化が進んでいるように見える」一度飼い主に腹を見せて服従してしまった犬は、そうすればエサをもらえることを知っているから、また自ら進んで腹を見せることになる
戦前の国家神道で味わった良い思いを忘れられないからこそ、再び暴走しようとしているのである。