『教団X』で話題の芥川賞作家・中村文則の安倍政権批判、改憲阻止の決意に震えた! この危機感を共有せよ!

いつの間にか息苦しい国〉になっていった日本。ブレーキを失ったこの国の現状とはどんなものか。中村はそのひとつにメディアの「両論併記」を挙げる。
〈政府のやることに厳しい目を向けるのがマスコミとして当然なのに、「多様な意見を紹介しろ」という「善的」な理由で「政府への批判」が巧妙に弱められる仕組み。
 否定意見に肯定意見を加えれば、政府への批判は「印象として」プラマイゼロとなり、批判がムーブメントを起こすほどの過熱に結びつかなくなる。実に上手い戦略である。それに甘んじているマスコミの態度は驚愕に値する〉
 メディアもグルになるかたちで政権批判が封じられたいま、だからこそ中村は〈僕は九条は守らなければならないと考える〉と声をあげる。それは冒頭で紹介したように、国を支配する格差や息苦しさ、ブレーキのなさの果てにあるのは〈憲法改正と戦争〉だからだ。

〈大きな出来事が起きた時、その表面だけを見て感情的になるのではなく、あらゆる方向からその事柄を見つめ、裏には何があり、誰が得をするかまで見極める必要がある。歴史の流れは全て自然発生的に動くのではなく、意図的に誘導されることが多々ある。いずれにしろ、今年は決定的な一年になるだろう〉