エマニュエル・トッドのインタビュー記事より

日本経済新聞(2/6朝刊)に載ったフランスの歴史人類学者エマニュエル・トッドのインタビュー記事より

「フランスの現状と私の考えの間には大きなずれがある。理性的でない何かが『私はシャルリ』という現象とともに姿を現したのだと思う」 
「フランス全土での『反テロ行進』には400万人が参加した。調査機関によると、その多くは中間層だった。郊外に住む(移民やその子孫を中心とする)若者と、極右政党の国民戦線を支持する労働者階級は参加しなかった」
「私の目に映ったのは団結したフランスではなかった。自分たちを中心に世界が回っていると思い込む中間層だった。歴史家としては不安を感じる。社会システムの安定は移民や労働者階級でなく中間層が担うからだ」
「郊外に住むイスラム教徒の若者は西洋で生まれたフランス人だ。将来の展望が開けないことが若者の疎外感の一因なのだ。西欧は自らの問題に目をつぶっている。西欧の社会はスケープゴートを探しているのだと思う。」
「フランスでは400万〜500万人のイスラム系の市民が生活している。一方、経済が低迷して社会は瓦解の危機にひんしている。(フランス人は)ムハンマド(の風刺画)を描くことのほかに考えなければならないことがあるはずだ。」