いつの頃からか「言いよどむ」「答えに窮する」「難問の前に絶句する」というふるまいが無能の記号であるかのように扱われるようになりました。違います。逆です。どんな難問にも一刀両断的に即答できる人間は「マニ


表現の自由」と「政治的中立性・公平性」と「世間の常識」の間にはしばしば不整合があります。あって当然です。 だから公人は悩んで、葛藤して、苦渋の暫定的決断を下すしかない。そういう時に葛藤なく、さらっと答えを出せる人間は「深くものを考える習慣がない人間」だということです。いつの頃からか「言いよどむ」「答えに窮する」「難問の前に絶句する」というふるまいが無能の記号であるかのように扱われるようになりました。違います。逆です。どんな難問にも一刀両断的に即答できる人間は「マニュアル」に沿って自動的に反応しているだけで、頭の中では何も考えていないのです。マニュアル通りにしていれば即答できます。それを「賢そう」と見る人もいるかも知れません。でも、原理的に言えばすべての出来事は「前代未聞」です。だから、ほんとうのリアリストは即答を控えます。ぺらぺら即答する人は「前代未聞の出来事」というものがこの世にあることをおそらく知らないのです。
菅さんのことですか?