学校のファシズムが、国に都合のいい子をつくる


学校のファシズムが、国に都合のいい子をつくる

細かなルールを一つひとつ守らせることで相手を支配し、思考力を奪うことができるからだ。

 たとえば、「服装の乱れは心の乱れだから、校則で規制している」といわれる。一方、生徒の服装が乱れたとき、心の部分に着目して「何かあったの?」と尋ねるような指導がなされているとはいえない。スカート丈が短かったら、生活指導担当の教員が「短すぎるぞ」と叱って正すだけで終わりになることがほとんどだろう。

 つまり、校則は「守らせること」そのものに意義が見いだされている。そう感じざるを得ない。細かな校則を一つひとつ守らせていくことで、反抗しない従順な子どもを育てようとしているのではないか。人間としてではなく、米俵として……。組み体操で培われるという「学習規律」は、号令一つで子どもたちを素早く動かすために都合がいい。

 子どもを「個」ととらえるのではなく、「集団の構成員」として扱う思想は、安倍政権の「教育再生」が向かっている社会のあり方とも合致している。