そういえば、赤旗配りうん十年の還暦過ぎて70も過ぎた人が、ネトウヨ、維新・安倍絶賛になっているのをたくさん見てきた。いったい何が彼らに起きたのだろうか？
これは何となく想像できる。今の60～70代の男性といえば、戦争の爪痕が深く残る中、戦前の旧世代に囲まれながら戦後民主主義を教えられ、また60年70年安保や学生運動の空気を体験して「心情左翼」となりつつ、その心性は男尊女卑と父権主義丸出しだったりする人が珍しくない。
→そういう層の多くにとって、戦後民主主義はずっと借り物だった可能性がある。勿論信念を持って「戦後民主主義」を貫いてきた人もいるだろうが、社会全体を覆う空気が民主的でないこともあり、民主主義を内面化できたか疑わしい。彼らにとって現代の右傾化は「在るべき姿の再発見」なのかもしれない。
小林信彦の著作を読むと、戦後の解放感と思想の自由で、「左翼」が流行になったのでみんな左に走ったと。しかし、お説のように、人間の根本というか親から引き継いだものはそう一気に変化するわけもないので、コアな部分は右。だから年を取ってきて人間の表層が剥がれると右が剥き出しになるという→
