中村文則がジブリの雑誌で語った安倍政権批判に踏み込む理由「言うべきことを言わないのは読者への裏切り」

中村文則ジブリの雑誌で語った安倍政権批判に踏み込む理由「言うべきことを言わないのは読者への裏切り」

「いつの間にこうなっちゃったのかなとも考えるのですが、現実に多くの人は自分を恵まれていないとは思っていないでしょう。むしろ恵まれた側にいると思いつづけたい。いまは給料が低いけど、アベノミクスの成果だかなんだか知らないけれど、いつか上がっていくと思っている。年金がもらえないかもしれないっていうのも、本来は「そんなバカな!」と怒るべきなのに、怒るのがちょっと格好悪い気がするから、自分の責任でやるしかないと考える。そんなのは自己責任だしねという自分、そんなふうに言えるオレって自立しててカッコいい、という……。で、実際に老人になったとき、本当にお金がなかったらどうするのかということは考えたくない。まさに正常性バイアスです。原発だって大丈夫だと思いたいし、考えるのが嫌なので、地震もないし爆発もしない。そう考える方が楽だから見ない。そういうことでしょう」