TBSキャスター金平氏「三浦瑠麗氏が政治学者として食っていけるのが問題」ー安田純平さん事件シンポで

TBSキャスター金平氏「三浦瑠麗氏が政治学者として食っていけるのが問題」ー安田純平さん事件シンポで

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190118-00111578/
三浦氏は、身代金支払いについて、事実であるかのように断言していたが、日本政府も、カタール、トルコ両国の政府関係者も、こぞって否定している。また、安田さんによれば、日本政府側が安田さん本人にしか答えられない質問をして、安田さんの本人確認をしたのは、解放時が初めてなのだという。これは安田さん拘束中に、日本政府側は犯行グループと交渉していなかった可能性が高いということだ。何故ならば、
・身代金の交渉をするには、本人の生存確認をする必要がある
・身代金を騙し取ろうとする悪意ある人物や組織と、本当に安田さんの身柄を拘束しているグループとを区別する必要がある 
という理由からだ。
つまり、解放時まで本人確認/犯行グループとの交渉ができていなかったのならば、身代金を払いようがないのである。「身代金が支払われた」とする説は、在英シリア人による人権団体が主張しているだけであり、それも確かな根拠はない。しかも、この団体の安田さんに関する他の主張も事実と異なる*など、信憑性は低い。
*例えば、同団体は「中東の政治的情勢から、安田さんは解放後、4日間トルコの入管施設で待機を余儀なくされた」としているが、安田さん自身はこれを否定。 では、三浦氏は何をもって、身代金が支払われたと主張したのか。筆者は、三浦氏が所属する東京大学政策ビジョン研究センターを通じて、問い合わせしたものの、回答はなかった。
平氏は、「(安田さんの経験から)全く発見がなかったと(三浦氏は)言うんだけど、(安田さんが拘束されていた施設の)看守がウイグル人だったというのは、ものすごい大きな情報で、ウイグルの人々が大量に中国から逃げて、シリアの反政府勢力に合流している、ということが裏付けられた」と語る。 ウイグル人とは、中国西部に住むテュルク系民族であり、言語や文化の違い、イスラム教徒であるということから、独立を求める人々も多く、それがゆえ、中国政府から激しい弾圧を受けている。安田さんは、拘束中に自身が会ったウイグル人達について、筆者のインタビューで次のように語った。 「彼らがシリア入りして反政府武装勢力に加わった理由として、一つは中国ではイスラム教徒としての振る舞いが認められないから、ということがあります。男性のイスラム教徒の象徴であるヒゲを伸ばしていると、それだけで中国当局から弾圧される。(中国西部の)新疆ウイグル自治区のモスクの中には、習近平肖像画が飾られているとも聞きました」(安田さん) 偶像崇拝を禁じるイスラム教の宗教施設で、中国の権力者の肖像画が飾られているとは、非常に屈辱的なことだ。安田さんいわく、シリアに渡ったウイグル人の数は一人や二人ではなく、村のような一定規模のコミュニティを形成する程であるという。中国での人権弾圧がシリアでの内戦にも、ウイグル人戦闘員やその家族の流入というかたちで影響を与えているということを、自身の体験として明らかにしたということは、金平氏が言うように、安田さんの大きな発見であろう。