徴用工問題。日本は韓国に個人への賠償を申し出たのに韓国が断って賠償金を政府に渡せと求めたのだから責任は韓国にあるという論があるが間違いだ。


徴用工問題。日本は韓国に個人への賠償を申し出たのに韓国が断って賠償金を政府に渡せと求めたのだから責任は韓国にあるという論があるが間違いだ。
確かに1961.5.10一般請求権小委員会でそういう話は出たが、1965.5.14請求権及び経済協力委員会で日本は個人賠償でなく経済協力だと前言撤回している↘
↘②その後日本政府はあくまで経済援助だという態度を崩さず、日韓請求権協定に調印した椎名悦三郎外相も「協定は純然たる経済協力。賠償の意味を持っているというような法律上の関係は何らございません」と答弁した(1965.11.19参院本会議)。 ↘
↘③だから日本が支払った有償無償5億ドルは国家間の経済協力協定であり韓国民への賠償ではない。実際、日本が支払った金は韓国ではなく全額日本企業が受け取っている。無償援助も有償貸付も、(1)韓国が日本から買う物資の代金と(2)韓国で工事をした日本企業への支払の二つに限定されていたからだ ↘↘④それは日韓請求権協定1条1(a)(b)で「日本国の生産物及び日本人の役務」を無償供与する等とされていることからも明らかだ。↘
↘⑤しかも援助方法は韓国が必要な物品や役務のリストを日本に提出し、日本が了承すれば韓国は日本企業に発注し、代金は日本政府から日本企業に直接支払われるというもので韓国に現金は全く渡っていない。↘↘
⑥こういう経過に鑑みれば個人賠償の責任が韓国政府にあるという議論は日韓請求権協定締結に至る外交交渉の一断面だけを切り取って都合よくフォーカスしたものにすぎない。交渉全体の経過と協定自体の内容をみれば徴用工への個人賠償が決着済という日本政府の立場に弱点があることは否定しがたい(終)