小林よしのり先生が「人権は自然権じゃない、国家が人権を与えてるんだ」と吠えていると聞いてSPA!を読んだわけですけれども、小林先生の言う通りに天賦人権説を否定して国家が人権を与えると定義すると、例えば



小林よしのり先生が「人権は自然権じゃない、国家が人権を与えてるんだ」と吠えていると聞いてSPA!を読んだわけですけれども、小林先生の言う通りに天賦人権説を否定して国家が人権を与えると定義すると、例えばチベット弾圧や天安門事件に対して外国が「人権侵害だ」とか一切言えなくなるわけですよ
「中国における人権は中国政府が定義するんだから、中国に人権侵害はひとつもない」という結論になってしまうわけ。そうではなく、普遍的に人は殺されてはならない、人間には人権があるはずだという思想の元に抗議してるわけでね。小林先生も確か抗議していたと思うけれども。人権について書いているのが憲法、権力を縛る法律であるのはなぜか、という話だと思うんですよね。刑法には「人を殺したら罰はこれこれ」的なことが書いてあるんだけど、「人間には人権があるんですよ」というのは憲法が国家に対して警告している。つまりそういうことですよね
なぜ「中国もそうなれ」と思うのか、なぜ「中国政府が中国人の大学生を何人殺しても我々の知ったことじゃない、ビジネスしようぜ」とならないのかというと「人権は国家の枠をこえて普遍的に保証されるべきだ」と思ってるからですよね。トランプは思ってないかもしれませんが。すごく大雑把に言うと、小林よしのりという人は「法」と「警察」の区別がつかない人なんですよ。「法律がどうあれ、警官がいなければ人が殺される!だから警察が市民に人権を与えてるんだ!」的なことを言ってるわけ。法が警察に命じてるんで、警察が法を作ってるわけじゃない