昨今、いたるところで歴史上の革命の価値を少なく見積もることが流行している。それは、今日の実証主義者の誠実な学問の結果だが、同時に、変革よりも現状維持を望む昨今の国民感情とパラレルなものでもある。学者が


昨今、いたるところで歴史上の革命の価値を少なく見積もることが流行している。それは、今日の実証主義者の誠実な学問の結果だが、同時に、変革よりも現状維持を望む昨今の国民感情とパラレルなものでもある。学者が求めるのは普遍だが、学者が時代に属する人間である限り、普遍は時代の産物である。
革命は社会からの離脱の勇気とともになされる。社会に所属していなければ不安な人間という動物にとって、そこから抜け出すことにどれほどの勇気が必要か。その勇気を欠いた今日の学者が、史上の革命を小さく見積もってこれを科学的診断とみなす。自分としては、やはり納得のいかない気持ちになる。