第68回 祝島の苦難と奇跡。35年間原発を作らせない人々の生き様に学べ!



山秋 真 氏 (ノンフィクション・ライター)

今日のスタジオのお客様は、ノンフィクション・ライターの山秋真(やまあきしん)さんです。山秋さんは、山口県の上関原発建設を35年もの間反対し続ける祝島の方々を、継続的に取材されておられます。

西瀬戸内に浮かぶハート型の島、祝島の漁業に携わる方々は、35年の間世代交代しつつも、一貫して漁業補償金の受け取りを拒否し続けるという形で原発建設に抵抗して来ました。その結果、今も上関原発は建設されていません。島民たったの400人余り。そこで起こったこの島の奇跡とは?

また一方で、賛成派反対派による島民間の分断や、電力会社に威圧訴訟(SLAPP)を起こされ、それでも果敢に戦った島民の方々のことなど、苦しく悲しい歴史についても、山秋さんは教えてくださいました。

そして、福島第一原発事故から静かになっていた上関原発建設への準備が、このところ少しずつ動こうとしているようです。山口県知事は、建設予定地の埋め立て許可の延長を認め、その結果今年6月30日には、追加ボーリング調査が始まりました。安倍政権になってからというもの、あの手この手で島民を説得しようとする動きもあるようで、歴史的勝利を収めている祝島原発建設反対運動は、また試練の時代でもあるようです。

豊かな海の恵みを受けながら、人らしい暮らしを愛する祝島の方々は、島に来るさもしい心の人たちを見事に見抜いているといいます。カネでは決して動かない誇り高い人と暮らしが祝島にはあるのです。

ぜひあなたも一度、美しい海に囲まれたハート型をしたこの小さな祝島に旅してみてはいかがでしょうか?おいしい大自然の恵みと、そしてやさしい島の方々が迎えてくれることでしょう。

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今回のお客様、ノンフィクションライターの山秋真さんには、
音楽のリクエストをいただいておりました。
しかしながら、音楽著作権の関係で、ラジオ局の放送でもオンエアが
できませんでした。そこで、ここでその楽曲をご紹介します。
 
斉藤和義「ずっとウソだった」(「ずっと好きだった」のセルフカバーの替え歌)
*例えば以下をご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=Bcyxj5t9DM4

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山秋真さんの著書
原発をつくらせない人びと――祝島から未来へ
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*ためされた地方自治原発の代理戦争にゆれた能登半島珠洲市民の13年
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<Light UP!ジャーナル>
玄海原発再稼働、地裁が容認」
今回は大阪のスタジオから、新聞うずみ火の矢野宏さんがお届けします。電話ゲストは、京都大学原子炉実験所研究員の今中哲二さんです。