「誤解」と言わせないための稲田朋美入門
ハチ公前に来たお前の「誤解」だ
発言した稲田大臣に批判が集中すると、その後の会見で「誤解」とい
う言葉を35回も連発して釈明した。
図は全くなく、誤解を招きかねない発言であり、撤回をしたということで
あります」と答えてみせた。近年稀に見るパワフルな釈明である。友
人から「渋谷・ハチ公前・17時集合でお願いしたい」というLINEを受け
取り、その時間に合わせてハチ公前で待っていたところ、「私として
は、渋谷・ハチ公前・17時集合とお願いするという意図は全くなく」と新
宿のアルタ前から19時にLINEがやって来たら、おおよその友情は壊
れると思う。でも、稲田理論では、それはあくまでもハチ公前に来たお
前の「誤解」だというのである。「誤解されかねない発言」という言い方
を、政治家は頻繁に使う。自分の発言が間違っているわけではない、
でも、理解力が無いメディアや有権者が誤解しちゃいそうだから、撤回
しておきますね、というもの。受け取る側の能力不足を匂わせること
で、自身の失言自体をうやむやにする。しかし、「防衛省・自衛隊・防
衛大臣としてお願いしたい」という発言を「私としては、防衛省・自衛
隊・防衛大臣としてお願いするという意図は全くなく」と切り返すのは、
さすがに誤解の限界を超えている。もはや、誤解の新境地である。