【森友学園】「安倍首相は好き」でも「嘘はダメ」 籠池理事長が語った保守主義者の愛憎

森友学園】「安倍首相は好き」でも「嘘はダメ」 籠池理事長が語った保守主義者の愛憎

「100万円の寄付を受け取った」「国有地売買の相談を昭恵夫人にした」などの証言をした籠池氏。外国特派員協会で会見を開いた。

森友学園籠池泰典理事長の記者会見が3月23日夜、日本外国特派員協会で開かれた。特派員たちからは「安倍首相や昭恵夫人が口利きをしたのか」という点に質問が集中した。

森友学園の籠池泰典理事長の記者会見が3月23日夜、日本外国特派員協会で開かれた。特派員たちからは「安倍首相や昭恵夫人が口利きをしたのか」という点に質問が集中した。
Kota Hatachi / BuzzFeed
この日の証人喚問で、国有地の取引をめぐって昭恵夫人に相談したと主張した籠池氏。夫人付きの担当職員から「財務省に問い合わせし、昭恵夫人にも報告した」などとFAXが送られてきたとして、会見でもそのコピーが配布された。

籠池氏は、FAXが送られてきた頃から国有地取得にかかわる手続きの決定スピードが速まったと述べた。

籠池氏は、FAXが送られてきた頃から国有地取得にかかわる手続きの決定スピードが速まったと述べた。
Kota Hatachi / BuzzFeed
「非常に瞬間風速のはやい神風が吹きました。このFAXがあったことによって、次の土地の関係取得の方向がなんとなく進んでいった気がしております」
昭恵夫人によって物事が動くとは私も考えておりません、でした。昭恵夫人というお名前によって物事が動いたんだろうと推察されることであります」

「安倍首相の口利きはあったのか」。核心をつく質問には「ないでしょ」とあっさり否定した。

「安倍首相の口利きはあったのか」。核心をつく質問には「ないでしょ」とあっさり否定した。
籠池氏は安倍首相や昭恵夫人による口利きがあったわけではなく、「わけのわからない力が何か動いていて、その力によって物事が進んだ」と指摘。「忖度」だと強調した。
「安倍首相あるいは昭恵夫人の心を忖度して、財務省の官僚の方々が動いてきたのではなかろうかなと思っております」

籠池氏は「忖度は悪いことではない」と語る。忖度=”Reading between the lines(行間を読む)”と会見中に何度も出てきたが、外国人記者にとっては聞き慣れない表現で混乱していた。

籠池氏は「忖度は悪いことではない」と語る。忖度="Reading between the lines(行間を読む)"と会見中に何度も出てきたが、外国人記者にとっては聞き慣れない表現で混乱していた。
Kota Hatachi / BuzzFeed
「学校もできて、入ってくる生徒も決まって、ここでどうしてハシゴを叩き潰すんでしょうか。経済的にも教育的にも問題です。逆風が吹き始めたというのは逆に忖度した人たちがまたいた、ということ」
「安倍首相に近い維新の会あたりが動くことによって、今度は元に戻してしまえというような力が動いたんではないかと私は思います。一番バカを見るのは学園の方。何も残らない、負債などマイナスのことだけが残ってしまう」
外国人記者たちは「ソンタクが英語に訳せない」とざわついたり、「逆の忖度」が「reverse sontaku」と伝えられたりした場面もあった。

一方、「寄付金100万円」の授受をめぐって安倍首相と主張が食い違うことについて、複雑な感情を表す場面もあった。

一方、「寄付金100万円」の授受をめぐって安倍首相と主張が食い違うことについて、複雑な感情を表す場面もあった。
Kota Hatachi / BuzzFeed
自身が語っていることが「嘘ではない。100万円をいただきましたということは、私どもの職員、先生方にもその時すぐに伝えております」と強調した籠池氏。
「そうすると安倍首相や昭恵夫人が嘘をついているのでは」と問われ、こう語った。
「嘘はいけないと思っています。本来、私は安倍首相のこと、好きなんです。立派に職責を努めていただきたいという思いはあります」
辞任すべきだと思うか、という質問についてはこうだ。
「非常に心が痛い。胸が痛い。ご自身で決定することだと思います。ただその風はどのように吹いていくのか、私は知りません。神のみぞ知るということであります」
安倍首相夫妻に迷惑をかけているのは、保守主義とは言えないのではーー。そんな問いについては、少しムッとした表情で「私は保守主義です。ただ、清濁合わせ論での保守主義ではありません」と語った。
「いいものはいい、いけないことはいけないことだと思っております。安倍首相には期待するところが多くあるが、その政府の中でどういうことが起こっているのかは見極めていかないと、日本国民が困ることになるのではないかと思っております」

さらに、証人喚問されたことを「異常事態」と表現。恨み節も出た。

さらに、証人喚問されたことを「異常事態」と表現。恨み節も出た。
Kota Hatachi / BuzzFeed
「私人を証人喚問するのは、ある意味で異常事態。総理を侮辱したというだけで私人を国会で喚問するなんて、どこの国なんでしょうか。悪口も、ちょっとした陰口も言えなくなるんですか」
喚問中、議員たちから「嘘をついたら偽証罪」と繰り返された点についても、不満をこぼした。
「嘘をつくなと、もしもちょっとでも嘘をついたら偽証罪で留置所にいれるぞという脅かしが常にあったという認識をしております」
「さらにそれをテレビジョンで流すことにより、『あいつは何か隠してる悪いやっちゃ』いうような印象操作をかなりしていたんではないかなと思っております」
そうして予定より1時間ほど長く続いた会見が終わった。籠池氏は最後にこう言った。
「きょうは権力からの脅しすかしがありました」