安倍政権 「共謀罪」大義に東京五輪を“政治利用”の姑息
安倍政権 「共謀罪」大義に東京五輪を“政治利用”の姑息
何でもかんでも「五輪成功のため」は通らない。安倍政権は今月20日召集の通常国会で、「共謀罪」の新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を提出する方針だ。3年後の東京五輪開催に合わせ、「テロ対策」の性格を前面に打ち出そうと必死で、悪名高い名称を「テロ等準備罪」に変えたが、しょせんは姑息な手段だ。悪評ふんぷんの共謀罪の成立にまで、五輪の政治利用は絶対に許されない。
共謀罪は、実際に犯罪を犯していなくても相談しただけで罰せられてしまう。極論すれば、サラリーマンが居酒屋談議で「うるさい上司を殺してやろう」と話しただけで、しょっぴかれる可能性がある。権力側が市民の監視や思想の取り締まりに都合よく運用する恐れもあり、03、04、05年に関連法案が国会に提出されたものの、3度とも廃案に追い込まれた。
五輪の成功を名目に、こんなウルトラ危険な法案を懲りずに通そうというのだから、安倍政権はイカれている。「東京五輪は確かに重要なイベントです。とはいえ、開催期間は1カ月にも満たない。その短期間のテロ対策という理由だけで法案を成立させては、将来に大きな禍根を残すことになるでしょう。権力による過度な監視が許されれば、プライバシー権や表現の自由、報道の自由を不当に侵害することになる。安倍政権は、『五輪成功のため』という理由をつけて、国民が反対しづらい空気をつくっているようにも見える。結果、メディアの感覚までも鈍ってしまっています」(聖学院大の石川裕一郎教授=憲法・フランス法)
「五輪成功」にかこつけて、希代の悪法成立を許してしまうのか。メディアの真価が今こそ問われている。
共謀罪は、実際に犯罪を犯していなくても相談しただけで罰せられてしまう。極論すれば、サラリーマンが居酒屋談議で「うるさい上司を殺してやろう」と話しただけで、しょっぴかれる可能性がある。権力側が市民の監視や思想の取り締まりに都合よく運用する恐れもあり、03、04、05年に関連法案が国会に提出されたものの、3度とも廃案に追い込まれた。
五輪の成功を名目に、こんなウルトラ危険な法案を懲りずに通そうというのだから、安倍政権はイカれている。「東京五輪は確かに重要なイベントです。とはいえ、開催期間は1カ月にも満たない。その短期間のテロ対策という理由だけで法案を成立させては、将来に大きな禍根を残すことになるでしょう。権力による過度な監視が許されれば、プライバシー権や表現の自由、報道の自由を不当に侵害することになる。安倍政権は、『五輪成功のため』という理由をつけて、国民が反対しづらい空気をつくっているようにも見える。結果、メディアの感覚までも鈍ってしまっています」(聖学院大の石川裕一郎教授=憲法・フランス法)
「五輪成功」にかこつけて、希代の悪法成立を許してしまうのか。メディアの真価が今こそ問われている。