吉田一彦さんの『「日本書紀」の呪縛』(集英社新書)

吉田一彦さんの『「日本書紀」の呪縛』(集英社新書
「『日本書紀』は日本の過去をありのままに記したような書物ではない。それは、権力の座についた氏族たちが自分たちの権力の根拠と正統性を神話と歴史から述べた政治の書物であり、過去を支配することを目的とした書物であった」「『日本書記』は過去を規定するが、それだけではなく、それによって現在や未来をも規定した。過去を支配しようとすることは未来を支配しようとすることであった」(p. 225)

シリーズ〈本と日本史〉①日本書紀』の呪縛』http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0859-d/吉田一彦  

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歴史学の最前線が明らかにする「神話と歴史」の事実!
書物で考える歴史シリーズ〈本と日本史〉始動

〈本と日本史〉は「本」のあり方から各時代の文化や社会の姿を考え、当時の世界観・価値観がどのように成立し、変化していったのかを考察する歴史シリーズ。
 第一巻が扱うのは『日本書紀』。歴史は常に勝者のものだった。『日本書紀』もまた、当時の権力者の強い影響下で生まれ、書物と書物の争いを勝ち抜いてきた。今日においても歴史の記述に大きな力を持つこの「正典」を最新の歴史学の知見をもとに読み解き、相対化する。本書は歴史解釈の多様性を示す『日本書紀』研究の決定版である。