舛添辞任必至で橋下徹の都知事出馬説に信憑性! 安倍官邸と橋下の態度に変化、衆参とのトリプル選挙説も

舛添辞任必至で橋下徹の都知事出馬説に信憑性! 安倍官邸と橋下の態度に変化、衆参とのトリプル選挙説も

舛添要一東京都知事は5月20日の記者会見で、一連の政治資金規正法違反事件について「第三者の厳しい目による調査を待ちたい」と繰り返し、辞任については考えていないことを強調した。だが、舛添を取り巻く環境は1週間前とは明らかにフェイズが変わっている。カウントダウンがすでに始まっているというのである。都政担当記者がこう解説する。
「これだけ次から次へと新疑惑が持ち上がると、いくら本人が頑張っても任期満了までの居座りは無理でしょう。そうなると辞める時期がどうなるか。最初のポイントは6月の都議会です。都議会自民党選挙で舛添を推した経緯はあるものの、韓国人学校への都有地貸し出し問題などで就任後はソリが合わず、辞任へ追い込むことも辞さない構えです」
 都議会自民党が早くから“舛添切り”を決めた一方、党本部と官邸は当初、後継候補がいないことや参院選への影響を考え、慎重な姿勢だったという。
 安倍晋三首相にとって今年最大の目標は参院選に勝利し、衆参で与党の3分の2を占め、改憲に向かって一気に突き進むことだった。そのためにありとあらゆるリスクの芽を封じ込め、あるいは「参院選後」に先送りすることを繰り返した。とにかく選挙に悪影響を与えそうなことはできる限り回避する作戦だ。「舛添問題」に関していえば、6月の議会をノラリクラリと乗り切って、参院選後の10月になってから辞任に追い込むというシナリオだったという。ところが、先週からかなり空気が変わった。
「官邸サイドから舛添に対して、積極的にネガティブ情報がもたらされるようになったんです。マスコミでも、安倍応援団の新聞、テレビ、コメンテーターがこぞって激しい舛添叩きをするようになっています。どうも、あの人を担ぎ出すことが決まったんじゃないかとの見方が専門家の間でも広がり始めた」(全国紙政治部記者)
「あの人」とはもちろん、橋下徹大阪市長のことだ。橋下元市長の都知事選出馬については、早い時期から噂にのぼっていて、「マスコミの話題作りのヨタ話」といわれていたが、どうもそうではなく、本気で口説きにかかっているらしいのだ。
「橋下さんといえば、菅義偉官房長官との太いパイプで知られていますが、先週末、官邸関係者と橋下が接触したという話もあります」(官邸担当記者)
 政界引退を表明し、参院選出馬説も言下に否定していたが、彼の二枚舌はいまさら説明するまでもないだろう。大阪府知事選出馬の際も「2万パーセントあり得ない」と言いながら、アッサリ出馬したほどだ。安倍首相、菅官房長官とは改憲協力と将来の政界復帰をめぐる密約をかわしたとの話は根強くある。
実際、橋下自身の舛添に対する物言いもこの間、微妙に変わりつつある。高額出張費や公用車問題が指摘され始めたころ、4月28日のツイッターでは、
〈舛添さん、意地になり過ぎ。会見は無理筋。早く有能な舛添さんに戻って!〉
 と、舛添に対するエールともアドバイスとも取れるコメントを発していた。5月11日段階でも、
〈舛添さん、ここまで来たら思いっきり謝って、もう一度チャンスを下さいと都民にお願いするしかないね。国会議員だってこの程度のことはある。都民に土下座する姿勢であればまだ許されるギリギリのところでは?そうでなければ辞職だね〉
 と、辞職に言及するものの、まだ一部で理解を示していた。それが、20日の会見を受けたツイッターでは、
〈今後の決着の仕方は(1)辞任 (2)有権者146万人の署名によるリコール→住民投票 (3)都議会4分の3による不信任決議〉〈(1)(2)は難しそうなので、最後は住民の代表である都議会が不信任決議をするかどうか〉
 といきなり、議会の不信任決議を煽っているのだ。
 さらに、いま囁かれているのが、6月1日辞任表明、そして7月10日の参院選との同日選挙というシナリオだ。都政担当記者が言う。
「それはありうるシナリオです。舛添がいま頑張っているのは、6月まで在任すれば今年の夏のボーナス(約380万円)の受け取り資格ができるからだという説があり、6月に入れば意外とアッサリ諦めるかも。さらに、いま盛んにネット上で選挙費用が約46億円もかかるとか、選挙に対するネガティヴキャンペーンが張られているが、参院選との同日選なら経費も半分程度で済みますから。反対する理由がなくなりますね」
 また、安倍首相は、参院選で大勝するために衆院とのダブル選挙を模索しているが、熊本地震の影響で批判も大きく、事前調査の結果もよくない。しかし、都知事選との同日選挙で橋下を都知事候補に擁立できれば、同じ効果が得られることになる。さらに、橋下を全面に立ててトリプル選挙にするという可能性もある。
 まさに悪夢のシナリオ。これがただの永田町の“ヨタ話”であることを祈るばかりである。
(野尻民夫)