改憲したい安倍首相の目的は現実に戦争をすること? 中国脅威論が誇張される背景とは

改憲したい安倍首相の目的は現実に戦争をすること? 中国脅威論が誇張される背景とは



白井 はい、もう現実に戦争やってるじゃん、という状況をつくれば、それこそ平和憲法自衛隊との矛盾どころじゃなくなるわけです。憲法改正の手続きは、現状追認の行為にすぎなくなります。戦争に出なくちゃいけない確率を高めるには、日本が集団的自衛権を行使できるようにすることが一番の近道でしょう。
だからよく、改憲から戦争へと進むからマズいといわれているけれども、僕は逆だと思うんですね。まず戦争をする。そこから改憲へというのが、彼らが思い描いている改憲へのルートなのではないか。そう考えると、あの解釈改憲をやられた時から戦争をやることはほぼ確定していて、問題は、いつ誰と、どんな戦争をやるのかという段階に入っていると僕は見ています。
木村 戦争というか、少なくとも戦闘行動に参加するというのは、例えば今、日本の自衛隊がアフリカの南スーダンPKOに派遣されていますが、今後、治安状況が悪化する中で自衛隊が「駆けつけ警護」などで戦闘行動に巻き込まれる可能性は高まっている。
また、尖閣(せんかく)諸島の問題が中国脅威論の中でいわれていますが、私は、尖閣をめぐって日中が軍事的な衝突をするという可能性以上に、南沙(なんさ)諸島をめぐるベトナムやフィリピンなどと中国の対立に日本が自発的に参加していくような状況が起きないかと危惧(きぐ)しています。