「米軍基地は日本全体で負担すべき」スタジオジブリの宮崎駿監督が外国記者と会見


プレスクラブ(2015年7月13日)
 世界的に有名なアニメ映画監督で沖縄の新基地建設に反対する運動に参加している宮崎駿­氏が7月13日、記者会見を行い、名護市辺野古での新基地建設への反対を改めて表明す­るとともに、安倍政権を厳しく批判した。

 東京外国特派員協会に加盟する記者たちを、東京小金井市にある宮崎氏が所属する制作会­社『スタジオジブリ』に招いて行われた会見で、宮崎氏は「沖縄の人々が基地を撤去した­いと思っています。そのことをお伝え願えたら嬉しく思います」と語った。

 普天間基地辺野古移設に反対する運動を支援する「辺野古基金」の共同代表に今年5月­に就任した宮崎氏は、辺野古の基地建設を阻止するために「困難な道ではあるが、永続的­にあらゆることをやっていく」と、引き続き新基地建設への反対運動に取り組んでいく姿­勢を強調した。

 この日の会見では、沖縄の置かれている現状について語った時、思わず感情がこみ上げ、­言葉に詰まる場面も見られるなど、沖縄問題への強い思い入れをうかがわせた。

 辺野古の新基地建設が進まない場合、周辺住民を危険に晒している普天間基地が固定化し­てしまう恐れがあることについて聞かれた宮崎氏は、「普天間の基地は移転しなければな­りません。しかし、辺野古を埋め立ててはいけません。民主党の鳩山総理が「米軍基地は­日本全体で負担すべきだ」と言いました。僕はまだその案が生きていると考えています。­」

 安倍政権について聞かれた宮崎氏は「憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残し­たいのだと思うが、愚劣なことだ」と、これを厳しく批判した。

 さらに、国会で審議が進む安全保障関連法案については、「軍事力で中国の膨張を止めよ­うとすることは不可能だと思う。もっと違う方法を考えなくてはならない。そのために、­私たちは平和憲法を作ったのだと思います」と語った。

 ビデオニュース・ドットコムではこの会見の模様をノーカットで放送中。