「非常時」の言論自粛は妥当か?

「非常時」の言論自粛は妥当か?
これは安倍晋三政権を批判する声明ではありません。強調しておきたいのは、批判されるべきことがあれば、いつでも批判できるようでないと駄目だということです。
 今回の誘拐・テロ行為は強く非難するし、テロリストの味方などしない。一方、政府の行動や施策がすべて人質の解放に寄与するとは限らなかった。そうであるなら、主権者や国会議員、メディアによって監視、精査、検証され、批判されるべきことがあれば批判されるのが当然です。
 だから、事件をめぐる反応で上がった「いま政権を批判すればテロリストを利するだけ」という声は違うと思う。それに、そう言う人は日本が他国と交戦状態になったときも同じことを言うでしょう。「いま政権を批判すれば敵国を利するだけ」と。戦時中の翼賛的状況と同じです。
「ある強い反応が起きると国全体が感情的、非論理的になり、解決策にならぬ策を実行してしまい、しかもそれを批判することを許さなくなってしまうのです」
「あれよあれよとアフガニスタンに侵攻し、イラク戦争まで始めてしまった」「当時のブッシュ大統領は「アメリカ側につくか、テロ側につくかのいずれかだ」という言葉で選択を迫りました」想田和宏氏(神奈川新聞)