ヘイトスピーチ規制を勧告=慰安婦に謝罪や補償要請-国連差別撤廃委

 【ジュネーブ時事】人種差別撤廃条約の順守状況を点検する国連の人種差別撤廃委員会は29日、人種や国籍などの差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)と呼ばれる街宣活動を法律で規制するよう日本政府に勧告した。
また旧日本軍による従軍慰安婦問題への対応も不十分だと指摘被害者への謝罪や補償を求めた。
 在日韓国・朝鮮人らを標的にしたヘイトスピーチをめぐっては、国連の人権規約委員会も7月、処罰規則の導入を勧告している。
 勧告を盛り込んだ「最終見解」は、街宣活動やインターネット上での人種差別をあおる行為に対する捜査や訴追が不十分だと指摘。
1)街宣活動での差別行為への断固とした対応
(2)ヘイトスピーチに関わった個人や組織の訴追
(3)ヘイトスピーチや憎悪を広めた政治家や公務員の処罰-などを勧告した。
 人種差別撤廃条約は、差別を助長する表現を「犯罪」と定義し、処罰立法措置を義務付けている。ただ日本政府は「表現の自由」を保障する憲法との整合性を考慮すべきだとして、履行を留保する立場を取っている。
 これについて最終見解は、留保の取り下げを要請。
ヘイトスピーチを法的に取り締まるため、「刑法など法律の見直しへ適切な対応を取ることを勧告する」と明記した
 慰安婦問題については、日本政府による実態の認識や被害者への謝罪、補償が不十分であることに懸念を表明。その上で
(1)元慰安婦の人権侵害調査、侵害に関与した責任者の処罰
(2)元慰安婦に対する真摯(しんし)な謝罪、全ての被害者とその家族への十分な補償
(3)慰安婦問題を否定する試みの糾弾-を求めた。(2014/08/30-00:57)
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